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​毎週木曜日に以下の4つの班に分かれて淀川の水質調査を行っております。

COD班

COD (Chemical Oxygen Demand) とは、化学的酸素要求量のことである。
化学的酸素要求量とは、試料水を一定条件下で強力な酸化剤を用いて処理し、消費される酸化剤の量を求め、それに対応する酸素の量 (O mg/L) に換算したものである。
これは試料水中の被酸化性物質の量の目安となる。
被酸化性物質としては各種の有機物、亜硝酸イオン、硫化物イオンなどが考えられる。このうち有機物(生活排水、糖類、魚、河川中に堆積している水草、フンや尿など) が主要なものであるので、
CODを有機物の相対的な尺度とみなすことができる。

DO班

DO(溶存酸素)班では、水中に含まれている酸素の量を測定している。溶存酸素の供給源としては大気中の酸素の溶解、水草の光合成により合成した酸素などが考えられる。水中に溶解する酸素量は、水中の有機物質の量によって変化する。この性質を応用して検水の有機物質による汚染度を間接的に検知している。しかし、大気圧、水温、塩化物イオン濃度などの影響を受けるので補正が必要である。補正後の溶存酸素量は、一般に有機物質が多い水では生化学的に消費されるため減少し、少ない水では増加する傾向がある。

 また、溶存酸素は水中に生存する生物の生命活動にも不可欠な物質である。そのため汚染水の微生物等による自浄化作用にも大きな影響を与える。有機物質が多く、過度に分解が進むと溶存酸素量が減少し、嫌気性生物が繁殖するためメタンガスなどの発生を促進させる。これが悪臭の原因にもなる。だが、逆に多すぎても嫌気性生物による分解作用を阻害し自浄化作用が低下する。溶存酸素量は過多、過小のいずれの状態も好ましくないのである。一般に95~105 %が良いとされている。溶存酸素量を測定することにより河川での汚染有機物質量と浄化可能量のつり合いを知ることができる。つまり、一つの汚染指標となる。

大腸菌群班

大腸菌群とは、好気性または通性嫌気性のグラム陰性菌で、芽胞を形成しない桿菌とされ、35 ℃の培養条件で酸とガスを伴うラクトース発酵を行う細菌とされている。したがって、大腸菌でなくとも上記の性質を満たすものは大腸菌群に含まれる。

 水中における感染症の病原菌はコレラ菌、赤痢菌、腸チフス菌などがある。これらの病原菌は糞便とともに排出され、水を介して感染する。感染を未然に防ぐためにも病原菌の検出を行うべきである。しかし、病原菌だけを検出するという手段は病原菌の性質の違いから実用的でない。そのため、指標生物である大腸菌群の存在の有無により、病原菌の存在の有無を確かめる。

大腸菌群の細菌はヒトと動物の双方による汚染に対する指標生物である。なぜなら、大腸菌群はヒトを含む動物の糞便中に大量に見つかるからである。したがって、水中から大腸菌群が検出されるということは水が病原菌に汚染されている可能性が高いことを示す。ただし、大腸菌群の中には土壌や水中などに生息している細菌がいる。そのため、検出される細菌の全てが糞便性であるわけではない。

水生生物班

水生生物班では河川に生息する水生生物を採取して、水質を調査している。この実験は水質汚染を全体的に調べることができる。特定の物質を調べる化学的実験と生物学的実験は互いに不十分な点を補うことで信頼性を高めることができる。水生生物とは水に棲む生物 (コケ、水生昆虫、魚) である。現在は水生昆虫を調査対象としている。

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